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2025/12/04 14:23

こんにちは、CADを運営しているフジカワです。
突然ですが、これ、見たことありませんか?

どこか懐かしいこの引き出し。
学校、市役所、職場── 一度は目にしたことがあるかもしれません。
実はこれ、トヨセット株式会社が長年つくり続けてきたクラシックデスクシリーズの「脇机(わきづくえ)」をリデザインした「袖箱キャビネット」なんです。
今回はこの脇机を、住まいで使える家具としてリデザインした経緯をお話しします。
JIS規格とデスクの変り
事務机にはJIS(日本工業規格)があり、机の高さもそのひとつ。
戦後は米軍の影響で74cmが標準でしたが、1971年に日本人の体格に合わせて70cmに。
近年では外国人ワーカーの増加や体格の変化により、72cmが主流になってきています。
弊社では、74cm時代のデスクを「旧JISタイプ」、72cm時代のものを「新JISタイプ」と呼んでいます。
今回リデザインしたのは、昭和レトロな雰囲気が漂う「旧JISタイプ」の脇机です。

変わる働き方と、変わらない道具の価値
クラシックデスクが誕生したのは、紙とペンが主役だった時代。
鉛筆が転がらないよう“筆返し”が付いた天板は、細やかな工夫の象徴です。

でも今は、タブレットやスマホで仕事をする時代。
とはいえ、ちょっとしたメモや整理には、やっぱり紙とペンが便利。
道具としての価値は、今も変わらないのですね。
「脇机」ってなに?
あまり聞きなれないかもしれませんが、机の横の引き出し付きキャビネットのことを「袖箱(そでばこ)」と呼びます。
その袖箱単体で使えるようにしたのが「脇机」です。

今回は、天板なし、収納に徹したキャビネットとして再構築しました。
天板を省くことでより軽やかに、現代の住空間にもなじむ姿に。
BEAMS JAPANさんとのコラボで見えたこと
このリデザインは、BEAMS JAPANさんとの協働で実現しました。
「古臭さをなくそう」とカラーチェンジなどを検討していた私たちに、
ご担当者さんはこう言ってくださいました。
「無理に変えなくていい。これまで続けてきた歴史がそのまま商品に宿るのがいい。」
その言葉に背中を押されて、オリジナルのブルーグレー色をそのまま活かしました。
ただ一点、取っ手の色だけはボディと揃えて統一感を出しました。
すると不思議と、モダンな空間にもなじむ、少し中性的でニュートラルな印象に。


サイズも、今の暮らしに合わせて
旧タイプは奥行73cmもありましたが、現在のPC環境には少し広すぎる。
そこで今回は奥行を58cmに縮小し、高さも調整して、
お手持ちの机の下にもすっと収まるようにしました。

過去と今を、素直につなぐプロダクト
最初は「ガラッと印象を変えよう」と意気込んでいました。
けれど、今までの歴史と技術をそのまま活かすことで、
逆に今の暮らしにフィットするプロダクトに仕上がったと感じています。
長年の使用に磨かれて、余分なものも足りないものもない製品です。袖箱から生える四脚が生き物のような愛らしさを感じさせてくれます。
いま机下の収納は多く存在して、モダンで綺麗なものも多いですが、この愛着が湧きどこか懐かしい「袖箱キャビネット」に良さを感じる人に届いてほしいなと思います。
